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【moeyo.com 20周年記念特別企画 原型師インタビュー第二弾】もんぷち。が聞く!フィギュア原型師「宮川武」とは。

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【moeyo.com 20周年記念特別企画 原型師インタビュー第二弾】もんぷち。が聞く!フィギュア原型師「宮川武」とは。美少女フィギュア業界のブロガーとして、20周年を迎えたmoeyo.comの管理人「もんぷち。」が、美少女フィギュアメーカーや原型師さんに、気になったことをあれこれとお聞きする、以前「moeyo.comサポーターズ」有料会員様限定記事として好評いただいたこのインタビュー記事シリーズ「もんぷち。が聞く!」が、20周年の期間限定で復活!今回は今年で活動40周年を迎える、ディーラー「T’s system.」も有名な大ベテランフィギュア原型師 「宮川武」さんのあれこれを、メールインタビューという形式でお伺いしました!画像はワンダーフェスティバル 2020[冬]での新作ガレキ「アズールレーン 山城」
*こちらは2020年08月にファンティアにて募集していた有料会員「moeyo.comサポーターズ」加入者限定コンテンツだった記事を一部加筆・修正したものとなります。基本的に当時の情報であることをご了承ください。

質問①:年齢、出身地など、簡単な経歴をお聞かせください。

 1969年4月25日、静岡県出身です。
 まだ高校生の頃、第2回目のワンダーフェスティバルに行き、そこですぐに自分でもディーラーとして参加してみたいと思いました。
 次の年、中学生のときから自分の作るフィギュアにつけていたサークル名である「T’s system.」として、始めてワンダーフェスティバルに参加しました。
 その後、大学で彫刻を専攻しながらフィギュア原型師として様々なメーカーの原型を担当してきました。

質問②:なぜ原型師になったのか、きっかけなどありましたらお聞かせください。

 中学生の頃、まだコピー機なども一般的で無い時代に、歯医者さんが使うレジンを使って、まだ子供の自分でも、作った立体物を全くそのまま複製コピーして、誰かにプレゼントできるということを知りました。一番最初に、その頃大好きだった漫画のキャラクターを作りました。
 今のようにフィギュアを売っているようなお店もない状況で、唯一、模型雑誌に海洋堂という造形グループがあって、そこがフィギュアを作ってるように書かれていたので、
 いきなり初めて作って初めて複製したフィギュアを手紙と一緒に送りました。
 静岡の山奥に住んでいたので、まわりにフィギュアを作っている友達もいませんでしたし、インターネットやフィギュアの本も無くひとりきりで作っていたのですが、なんとその海洋堂の白井さんという方から、お手紙で返事をもらいました。
 そこには、「次から瞳のモールドをいれるといいです。そうしたら君はプロのフィギュア原型師になれます。」と書いてありました。
 ですので、僕は次からは瞳のモールドを入れるようになって、その数年後まだ学生で10代でしたが、その白井さんの言葉どおりに、プロの原型師になることができました。

質問③:原型を作成する際の個人的なこだわりや、力を入れているポイントなど教えてください。

 アニメや漫画、ゲームから、どのようなキャラクターをどのようなポーズで作るか、または、自分のオリジナルのデザインで、どのようなポーズで作るかを決めます。作るために必要な資料もできる限り集め、作るイメージを頭の中で思い描きます。そのキャラクターが出てくる、いわゆる設定画だけでなく、その絵を描かれた方の別の絵や記事など集められるだけすべて集めます。またそのポーズに近い実物の人体の資料や服装、など調べられるだけの資料を時間をかけて集めます。元絵のだけでは伝わり辛い部分も、描いた方の好きな物や考えが少しでも解っていると、よりその方の感性に近づけるような気がするので、作る前の資料集めには、作るのと同じくらいの時間をかけます。
 製作中は、元絵に近づけることが大前提ですが、それだけではなく、多くの資料から読み取ったそのキャラクターの姿を、頭の中で生きているように生活してもらって、その雰囲気を大切にして作ります。
 線で書かれている絵を立体化する場合、漫画やアニメのキャラクターを現実世界の人間と融合させるようにして立体にしているわけではありません。絵で描かれている要素を、頭の中で再構成して、人間にみえるあらたな立体を、かわいい形あるいはきれいな形だけを使って再構成して作り出しています。

質問④:原型作成手順や、使っている工具など。あとお勧めの使用方法などあれば教えてください。

■アナログ造形の場合
• セメダイン エポキシパテ 木部用 
顔や胴体、足など基本的な造形はこれで作ります。
これは大変に硬化が早いのでおすすめです。オーブンで焼くことにより、キャストと似たような硬さになり、とても削りやすくもなります。

• クレオス造型用エポキシパテ エポパPRO-H
お洋服や武器、小物など細かなものはこれで作ります。
木部用パテでは作り込めないような細かなもののうち、細くないものに使いやすいです。

• タミヤエポキシ造形パテ 速硬化タイプ
髪の毛はこれを用います。
エポパはもろいので細い造形が得意ではないので、細い造形は硬化しても少しやわらかめの、こちらを削ぐようにして切るととても細く、つんつんした造形ができます。

 手で盛り付けて作る造形が好きなので、今でも趣味ではエポパテで作りますが、T’sのものも商業の作品も、最近の20作くらいは全部デジタルで作っています。

■デジタル造形の場合
Mac Proに、Wacom Cintiq Pro 24をつなげて使っています。
お出かけした先では、VAIO Z Canvasを使っています。

質問⑤:ご自身作成の原型で、特に思い入れのある作品があれば教えてください。

 まだフィギュアを勉強中で、作っている時間が最高に幸せでフィギュアと楽しんでいる状態なので、完成してしまったら、次の作品をすぐに作って新しい方法を試してみたいです。
 なので、今、机の上で作っている製作中の原型が一番思い入れがあります。どうやって作ろうか、どうしたらこれが作れるんだろうか、と今は頭の中はこのフィギュアの事で一杯です。

 完成したら、きちんとプラスティックの箱に並べて、倉庫の奥の日が当たらないところに、しまっています。この間、倉庫を片付けたら、とてつもない数の箱が奥まで並んでいました・・・・

質問⑥:ご自身の面白エピソードや失敗談、感動した話などございましたら教えてください。

 ワンダーフェスティバルは僕を育ててくれた場所だと思っています。
ですので、ワンフェス20周年の夏に、オフィシャルフィギュアの原型を担当させてもらえたときは、
とても嬉しかったです。
 インターネットもなく、雑誌でもほとんど扱われない時代から始めたので、ワンフェスは、唯一自分自身の存在を叫べる場所でした。
 直接見に来てくれた方からの意見を聞けたり、多くの事を学ぶ事ができる、唯一無二の大切な場所になっています。
 これからの一年間を生活するのにワンフェスの開催日をまず確認して、それを中心に生きていくスケジュールを組み立てていました。
 フィギュアを始めた頃から、ずっとそういう生き方だったので、イベント再開の発表はあったものの今この状況がとても不安です。
 心配ごとは尽きず辛く思うこともありますが、悲観的にばかり思い悩まずに今は、パワーアップして再開するための充電期間であり学ぶ時間として、前向きに捉えていこうと思っています。
 みんなで安心して会場に足を運べる時がくるように、コロナ禍の1日も早い収束、そして終息を願っております。

質問⑦:原型師を目指している方や、ファンの方に一言お願いします。

 これまでアナログでは、道具や材料を揃えることで、少し敷居が高かったのが、デジタルツールが出来たことにより、興味をもったり、ちょっとしたきっかけでフィギュアを作ってみたいなと思う人が増えたと思います。
 デジタルでもアナログでも、フィギュアを作ると言うことは、あくまでも自分の頭や心の中にあるものを、現実世界に立体として出現させるという行為であって、ネンドもカッターナイフも、パソコンもソフトウェアも、その道具にすぎない、ということだと思います。
 一番大切な事は、自分がなにをかわいいと思ったか、なにをきれいだと感じたか、そして、頭や心の中で自分が思い描いたその形を、できるかぎり自分が思ったとおりにそのまま、フィギュアとして表現できるかと言うことだと思います。

 ものづくり全ての事に通じる事だと思いますが、フィギュアを作る上で大切な事は、「創造力」「豊かな感性」「好奇心」「表現力」であり、日々の生活の中であったり、人との関わりであったり、そういった事が自分の中の、ものを生み出す力になり、作るものに影響していくのだと思います。だからこそ、フィギュアを作る事そのものだけではなくて、いろいろなことを見たり経験したりチャレンジしたりする事もとても大切であると思います。 そしてその中から、きれいだと感じた事、かわいいと思えた事、にたくさん出会えたら、きっと素敵なフィギュアを作ることにつながるんじゃないかと思います。

メールでお聞きしたインタビュー内容は以上となります!宮川さんお忙しい中ありがとうございました!

 宮川さんは自分がmoeyo.comを始めて数年後くらいにイベントでお会いしまして、以来イベントのたびにお声がけいただいたりして、いろいろお話をさせて頂き、造形に関しては素人同然の自分のような意見にも積極的に耳を傾け、真正面から対等な立場で意見交換をしてくれて、この方は本当に造形、フィギュアを作るのが好きなんだなと感じております。
 大ベテランの域に達しつつも、貪欲に造形の腕を磨き続けている姿勢は本当に尊敬に値するなーと…!

まもなく(2025年2月9日)開催される「ワンダーフェスティバル2025 [冬]」の5ホールにて「宮川武原型師 40周年記念展示」が特設ブースで行われることになっていますので、ワンフェス参加予定の方は是非宮川さんの「歴史」を感じに行ってみてください!

 次回以降も不定期とはなりますが、20周年特別記事は今年(2025年)中、継続的にインタビューを掲載予定です!

 moeyo.comの応援をどうぞよろしくお願いいたします!

文:もんぷち。

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